【保健室】『歩行』は人の基本の基

人にとって最も重要な動作の1つ、それは歩行です 。

人類の最大の特徴とは『直立二足歩行』である、と習った記憶がある方も多いのではないでしょうか。実際、発掘された化石が人類の祖先かどうかを判断するのにこの『直立二足歩行』が可能な骨格かどうかという事が重要な要素となっています。

我々人類の誕生はおよそ800万~500万年前とみられ、アフリカの類人猿のなかから人類へ進化したものと考えられています。

この間人類は狩猟採集のためにかなりの距離を歩いており、このような期間は農耕が始まる1万5千年前まで続けられていました。もちろん農耕が始まってからも移動手段は『歩行』であり、現代ほど生活の中に『歩行』が無くなったのはつい最近の事なのです。

そもそも、生物は環境や生活スタイルによって身体を適応させる能力があります。例えば、鳥は空を飛ぶように、魚は水中を泳ぐように何千万年もの歳月をかけて今のような形状に変化したのです。

では人はどうでしょうか。先にも述べた通り人類の歴史は『歩行』の歴史と言っても過言ではなく、人は陸地を歩くために骨格・肉体を変化させ、だんだんと 『歩行』 に適した身体へと変化していったのです。

このように我々人にとって『歩行』は単なる移動手段ではなく、人体にとっての基本となる動きなのです。

それゆえ『歩行』自体には身体のバランスを整える作用や、内蔵の動きを良くする作用もあり、寝たきりになるとあっという間に筋肉だけでなく内臓も衰えてしまうのです。

皆さんも人である限りはこの『歩行』を億くうに思わず、生活の中に『歩行』を上手に組み込むことで健康の維持に役立てましょう。