【保健室】顎関節症

顎関節症とはアゴの噛み合わせが悪くなり、口が開きづらくなったり痛みを伴ったりするものです。

アゴの開け閉めはアゴの両側に付いた筋肉によって行われます【下図参照】。そのためアゴの左右で筋力の差が出ると当然アゴはズレを生じ、これが関節症の原因となるのです。

アゴの筋力に左右差が生じてしまう原因としては、歯並びの悪さやいつも同じ方で噛むこと、首肩のこりなどが考えられます。歯並びに関しては専門的治療が必要ですので、ここでは首肩のこりから来る顎関節症についてお話します。

先ほど書いたようにアゴは両側の筋肉によって動かされています。そしてこのアゴに付く筋肉は首の筋肉と連動して動きます。

ですから、首の筋肉に左右差があるとそれに伴ってあごの筋肉にも左右で緊張の差が発生し、結果的にアゴのズレにつながってしまうのです。

さらに、この首の筋肉のアンバランスは肩や背中、腰とも関連しています。歯の治療や矯正をしていないのに起こる顎関節症の大半はこのようなメカニズムで発生していると考えられます。

このようにアゴのズレというのは身体全体の問題の1つの現れです。ただアゴだけを治療すれば良いというものではなく、全身のバランスを整える事が必要なのです。