【保健室】カゼとお灸

直接肩こりや腰痛とは関係なく思えても、カゼなど体調を崩すようなことへの対策も大切です。

当院ではカゼの症状にお灸を勧めており、患者さんの方からお灸のお願いをされる事も少なくありません。

東洋医学的な考えでは、自然界には「風・寒・暑・湿・燥・火(熱)」の六つの正常な気候変化があり、これを六気(ろっき、りっき)または主気(しゅき)と呼びます。

この六気はバランスが崩れると「邪(ジャ)」という人体に病を引き起こす原因に変化し、その中の一つである「風」の「邪」、つまり「風邪(フウジャ)」が首元から体に入った状態を「カゼ」と呼び、万病の元とも言われています。

「カゼをひく」という表現も、「風邪(フウジャ)を体に引き込む」という考え方から来ています。

そこで、カゼのひき始めや抜け切らない時にこの首の付け根にある「風門(フウモン)」というツボにお灸を据えることで症状の改善・回復に効果があります。

ご自宅で簡単にできる方法としては、カイロやドライヤーの温風を首のつけ根から首にかけて2~3分当てるとお灸と同じ様な効果が得られます。

また、風門をはじめカゼに効果的なツボが首に多くあるため、首や肩のコリを治療することでカゼの予防や治療にもつながってきます。

ですが、カゼ予防に一番大切な事は十分な休養と手洗い・うがいです。これは東洋も西洋も同じです。

カゼの予防に努め、そして万一カゼをひいてしまったらお灸の妙味を味わってみてはいかがでしょうか?