【保健室】メンタル

今回は、「メンタル」についてお話します。皆さんは普段「ボーっとして集中できない」「やる気が起きない」「精神的なダメージから立ち直れない」となったことはありませんか?それらは全て、神経のネットワークを介して人の思考や感情を作る脳内物質のなせるわざです。

そして実は、脳内物質は日々の生活習慣によって自力でコントロールすることが可能なのです。今すぐ実践して脳のパフォーマンスとメンタル強化のスゴイ効果を体感してみましょう。

そもそも現代人の脳スタミナは壊滅状態となっており、その原因は「睡眠不足」にあります。脳の覚醒をコントロールするセロトニンは睡眠を促す脳内物質メラトニンの原料になるもの。睡眠は6時間以下が続くと集中力、判断力などほぼ全ての脳機能が低下します。

セロトニンが不足すると感情も不安定になり、放置するとメンタル疾患をも招くことになります。セロトニンを活性化するには、起きてすぐの行動が決め手になります。セロトニンの生成は太陽の光を浴びるとスタートし、脳の覚醒をももたらします。

もう一つは呼吸です。我々の多くが普段、知らず知らずのうちに行う口呼吸は、実は身体の免疫システムにもダメージを与える、かなり無防備な呼吸法です。まず、口の中が乾燥することで唾液の消毒・殺菌作用が上手く働かず、細菌が繁殖しやすい環境に。これが口臭の炎症のみならず歯周病の炎症を招く要因にもなります。

さらに問題なのは、その慢性的な炎症が遠く離れた臓器に二次感染を起こす事です。これを病巣疾患といい、口腔内の炎症が原因として認められるのは関節リウマチ・高血圧・肝炎・腎炎・大腸炎など様々で、糖尿病患者の歯周病罹患率一般に比べて2倍以上という報告もあります。

免疫に使われる白血球は自律神経のバランスと相互関に影響し合い、口から冷たい空気や多量の有害物質が入り込むと、交感神経が常に優位な状態に。するとストレスホルモンのコルチゾールなどが増え、反対に副交感神経は常に休息できない状態になって、メンタルが慢性的なダメージを受け続けてしまいます。

そこで必要なのが鼻呼吸です。我々の多くは呼吸過多(浅く回数が多い呼吸)になりがちです。そして実は肩こりや腰痛、疲労感といったものも主たる原因は不適切な呼吸です。

人は脳に支配されている生き物です。呼吸過多になると脳は酸素不足に陥って身体の制御能力が低下。筋肉も精神もリラックスさせる方が難しく、思考や運動パフォーマンスが上がらないばかりか物理的・精神的な負荷がストレスに対応しきれず心身が常に緊張状態になってしまうのです。

皆さんはいつもどれくらい気にして生活を送れていますか?仕事のパフォーマンスが落ちている時や何事にもやる気が起きない時。一度、深呼吸をして心を落ち着かせリラックスしませんか?