「からだのしくみと症状」にもお書きしている通り、背骨には生理的弯曲というS字のしなりがあり重要な役割を果たしています。ではその弯曲はいつ出来上がるのでしょうか?
胎児の頃、赤ちゃんはお母さんのお腹の中で背中を丸めています。そして生後しばらくは背骨が丸いまま(C字状の弯曲)大きくなります。
そして寝返りなどにより筋力が付いてくるとハイハイが始まります。実はこの時に背骨にS字のカーブがつきます。
実際にやってみると分かりますが、四つん這いになると肩と足の付け根が固定されるため腰が反らされます。また頭をあげるために首も反らされ背骨に弯曲がつくのです。
また、ハイハイをする時に自分の体重を手足で支えることになるため、手足の筋力が鍛えられるという点でも重要な時期なのです。
最近、赤ちゃん用の歩行器を見かけることが少なくなってきているのもハイハイの重要性がお医者さんや育児中のお母さんに広まってきたことが一因のようです。
ついつい親は早く立って歩いてほしいと思うものです。しかしハイハイの時期にしっかりハイハイさせることが将来の子供の身体の状態に影響を与えるのです。焦らずじっくりハイハイをさせてあげましょう。